2020年11月24日火曜日

最近の試作、点打ちに使える濃い金練棒

金練というタイトルですが、まずはプラチナ練りの写真です。
全て鉛ガラスベース、一枚目は反射光、二枚目は透過光の様子です。
反射光の様子だと、どちらも銀色に美しく光っています。Bの方が表面がボコボコしているのが見えます。
透過光の様子だと一変して、Bの遮光性が際立ちます。
それと同時にAがプラチナが均質に散っているのが分かります。

AとBは同じガラスとプラチナ粉末を使いながら、作り方が異なります。
Aは細く引いたガラスの表面にプラチナ粉末をつけて練り込みました。
Bは平板の上に薄くプラチナ粉末を広げて、熱いガラスで巻き取って練り込みました。

Bの方法は鉛ガラスの屈伏点(作業温度)に対してプラチナの融点が高いから可能な荒業です。荒っぽいからこそ、ダマができてしまってます。しかし濃く入れることは容易でした。

そこでAの方法をで練った純金の様子です。
左から、最も金の純度が高い金地色(99.94%金)、隣はホワイトゴールドに近い分量の水金色。
左の二本はAの方法、右の二本はBの方法です。
Bの方法は熱いガラスで拾い上げて巻き取るので、気をつけてもダマが出来やすく、巻き取る時にガラスが冷えることから(練りこむときにスキマが生じて)泡が入りやすい。
ダマと泡の相乗効果でもろい棒になってます。

まとめ
Aの長所: 金を乗せる作業がコールドワークなので、咳やくしゃみがしたくなったら手が離せる。均質で美しく入る、泡が少なくできる。

Aの短所: 今の所なし

Bの長所: 手早くしっかり金が入る (ダマ、ムラがでるので)作品にランダムな表情が出る

Bの短所: 割れたり砕けたりする

共通の注意点
ガラスへ金属粉末を入れるので、割れやすい。

備考
写真をよく見るとわかるんですが、プラチナ粉はガラスの中で溶けてないためか、輝きの具リッター感が違いますね。驚きました。