2024年12月24日火曜日

グラスアイTip 三日月泡について

(手描きの図は2023年12月25日、X投稿より。)

最下に ●瞳孔まわりに泡を残さないには?

 

手作りのグラスアイの瞳孔まわりに泡がついている事があります。

この泡は瞳孔のまわりを抱くような三日月形でガラスに閉じ込められた空気が変形したものである事が多いです。

ガラスの中に閉じ込められた空気は、細長い形状であっても、閉じ込めた空気の周りのガラスを熱して軟らかくすることで泡が球状になります。(下図)

下図は2008年の当ブログの記事に掲載した写真です。指で持っている赤い目玉の瞳孔周りにはハッキリと銀色に輝く三日月泡が閉じ込められているのがわかります。

グラスアイの中だったりガラスの中に泡を作るには、熱でガスを発するような発泡剤を使ったり、極端な凹凸を作って空気を閉じ込めるようにガラスで蓋をする方法があります。

 上記のうち、グラスアイの瞳孔端に泡が残ってしまうのは凹みがある場合が多いでしょう。

 瞳孔のまわりに泡となる凹みができる様子を下図に示します。

瞳孔模様として黒色のガラスをつけ、その黒色だけ金属等で押すと金属と接した部分のガラスが冷えて硬くなります。

そのまま押しこむと硬いガラスが熱く軟らかいがらすが押し退けられるように変形し、それが凹みになります。

この時黒色のガラスが点=円の形をしているので円形の凹みが作られ、うまくフタをするようにガラスを重ねると円形の泡が残ります。

上図の右下に描いたガラスタンブラーの底の例は、まず溶けて軟らかくなっているガラスは液状なので表面張力により球状になっている姿を想像してください。

熱いガラスが金属等の平面に押し付けられた時に冷えて硬くなったガラスが軟らかいガラスを押し退け(ここで球状だったガラスの押し付けられた面に凸と凹ができる)、

さらに熱い軟らかいガラスが平面に押し付けられて冷える(最初の凸と凹の外側に凸ができる)、を繰り返した結果に同心円状の波紋が作られる例です。

ここまででリング状の凹みが作られる条件を説明しました。

一番上にも触れましたが、細長い凹みが細長い泡になります。細長い形状を閉じ込めたままガラスの温度を下げてゆけばそのままの形状の泡が残ります。

ところで液体の中の泡はどんな形になるのが自然でしょうか?表面積が最小になるように球状になりますね。ガラスの中でも空気の泡は球になろうとします。

(正確にはガラスが空気を圧縮して空気が球になる)

上図はリング状の凹みが二つの泡になる様子を示しています。細長い泡は圧縮される過程で千切れたりして球になります。


●瞳孔まわりに泡を残さないには?

泡の原因は凹みが巻き込んだ空気である、泡は圧縮された空気と説明しました。

泡を残さないためには、ガラスで蓋をするまえに、凹凸がないよう表面を溶かしてツライチにしておく事、それだけです。

小さな当たり前のコツですが完成を目前に気を抜かず注意して作ってみてください!